「IT業界は人材不足だから、新卒でも就職しやすい」と聞くことがあります。僕も就活を始めたころは、求人が多いなら比較的入りやすいのではと考えていました。
実際には、人材が不足していることと、希望する会社や職種へ簡単に入れることは別です。僕は大学3年生の春から準備し、説明会へ約30社参加し、11社の面接を受けて、大学3年生の2月に最初の内定をもらいました。
結論:機会はあるが、誰でも簡単に入れるわけではない
ITやデジタル分野の人材需要はあります。ただし、企業が不足していると感じる人材には、業務知識、開発経験、データ活用、プロジェクト推進など、さまざまな役割が含まれます。
そのため、「人材不足」という言葉だけを見て、未経験でも準備なしで受かると考えるのは危険です。新卒では、現在の技術力だけでなく、学び方、志望理由、経験を説明する力、会社との相性も見られます。
IPA調査ではDX人材の不足が続いている
IPAの「DX動向2025」では、DXに取り組む日本企業のうち、DXを推進する人材の量が不足していると答えた割合が8割を超えています。企業がデジタル人材の確保に課題を感じていることは確認できます。
ただし、この調査が示しているのはDXを推進する人材の不足です。新卒エンジニアの求人倍率や、未経験者の内定しやすさを直接示す数字ではありません。調査の対象と、自分が知りたい就職状況を混同しないことが大切です。
n人材不足とは分けて、給与・残業・有給休暇の変化を見たい人は、JISA統計を10年分比較した記事で数字の見方を整理しています。
n「2030年に最大79万人不足」の読み方
IT人材の記事でよく見かける「2030年に最大約79万人不足」という数字は、経済産業省の過去の調査で示された高位シナリオの推計です。需要の伸びや生産性などの条件によって結果が変わる試算であり、現在79万人が不足しているという意味ではありません。
将来も需要がある可能性を考える材料にはなりますが、「この数字があるから自分も受かる」とまでは言えません。就活では、応募先の募集職種と選考内容を個別に見る必要があります。
人材不足でも選考対策が必要な3つの理由
1. 不足している役割と新卒募集が同じとは限らない
企業が欲しいのが、経験者のプロジェクトマネージャーやセキュリティ人材の場合もあります。人材不足という大きな話だけでなく、自分が応募する新卒職種の仕事内容を確認します。
2. IT企業ごとに仕事がかなり違う
受託開発、自社サービス、社内SE、組み込み、インフラなどでは、必要な知識も働き方も違います。「IT業界に入りたい」から一歩進めて、どの仕事をしたいのかを考える必要があります。
3. 経験を相手に伝える準備が必要
個人開発をしていても、技術名だけを並べると、何を考えて改善したのかが伝わりません。課題、行動、結果の順に説明できるようにすると、面接で話しやすくなります。
僕が内定までに進めたこと
- 大学3年生の春:自己分析と業界研究を始める
- 夏:説明会とインターンへ参加する
- 秋:面接を受けながら回答を直す
- 大学3年生の2月:最初の内定を得る
詳しい時系列は、大学3年春から2月内定までのIT就活スケジュールにまとめています。
企業選びで確認した条件
「受かりやすそう」だけで会社を選ぶと、入社後の仕事内容や生活が合わない可能性があります。僕は次の条件を会社ごとの表にしました。
- 基本給が25万円以上か
- 年間休日が120日以上あるか
- 直近5年の成長と市場の将来性
- 選考が何次まであるか
- 要件定義を経験できる可能性があるか
- 希望するアプリケーション開発に関われるか
比較表の作り方は、新卒IT企業の選び方で紹介しています。
新卒が今から準備できること
- 興味のある職種を2、3個に絞る
- 小さな個人開発や授業の成果を説明できるようにする
- GitHubのREADMEで目的、技術、改善点を整理する
- 面接の頻出質問を声に出して練習する
- 求人票と説明会で仕事内容と条件を確認する
準備する順番に迷う場合は、大学生のIT就活ロードマップから進めてください。提出前のGitHubは、IT就活で見られるGitHubの整え方で確認できます。
参考にした公的資料
まとめ
ITやDXを進める人材への需要はありますが、人材不足だから誰でも簡単に内定できるわけではありません。職種を知り、自分の経験を説明し、会社ごとの仕事内容と条件を確認することが必要です。
僕自身も、説明会約30社と面接11社を通して少しずつ答えを直しました。就活サービスをどう使い分けたかは、IT新卒向け就活サービス6社比較でまとめています。


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